ロシアンルーレットⅡ【コミカルアクション】
俺の言葉に、早乙女と杉下は慌てて周囲を見渡すも、誰もがホステスとの薄っぺらトークに夢中で、このボックス内で起きていることを気に留めている者など一人も居なかった。
目撃者となり得た取り巻きも、さっき杉下自ら追っ払っちゃったしね。
「お… 俺が…」
「早乙女くんは暴力団組員のため、その証言は信憑性ゼロ、はい消えたぁ!」
ホモマッチョ早乙女は悔しそうに眉間を寄せた。
杉下の方は硬直したまま、ピクリとも動かない。
「なぁ、俺はあんたが小手川を殺したかどうかなんて、今は興味ねぇんだよ。あんたらが何で尾藤グループに狙われてんのか、そこが知りたいだけだ。話してくんねぇかなぁ? 頼むよ。」
俺ができるだけ穏やかさを心がけて言うと、ようやく観念したのか、杉下はしぶしぶ話し始めた。
「数ヶ月前、俺たち幹部は親父にヤクを渡され、それを売りさばくように言われた。純度の高い上物って聞いたが、そんなデカい取引きはここんとこ無かった。突然、極上のヤクが沸いて出たんだよ、おかしな話だろ? ところが、ある日、ジャンキーが組の詰め所に乗り込んできやがった。でけぇ日本刀振り回して『騙しやがったな、あんな安物売りつけやがって』とか喚いてたって話だ。イカれたシャブ中が難癖付けにきやがったんだと思って相手にしなかったんだけどな、どうも本当に安物だったみたいでよぉ、売りさばいてる下のもんがすり替えたって親父、激怒してな。そんな大それた事、小手川みてぇなやつらに出来る訳ねぇのによぉ。」
目撃者となり得た取り巻きも、さっき杉下自ら追っ払っちゃったしね。
「お… 俺が…」
「早乙女くんは暴力団組員のため、その証言は信憑性ゼロ、はい消えたぁ!」
ホモマッチョ早乙女は悔しそうに眉間を寄せた。
杉下の方は硬直したまま、ピクリとも動かない。
「なぁ、俺はあんたが小手川を殺したかどうかなんて、今は興味ねぇんだよ。あんたらが何で尾藤グループに狙われてんのか、そこが知りたいだけだ。話してくんねぇかなぁ? 頼むよ。」
俺ができるだけ穏やかさを心がけて言うと、ようやく観念したのか、杉下はしぶしぶ話し始めた。
「数ヶ月前、俺たち幹部は親父にヤクを渡され、それを売りさばくように言われた。純度の高い上物って聞いたが、そんなデカい取引きはここんとこ無かった。突然、極上のヤクが沸いて出たんだよ、おかしな話だろ? ところが、ある日、ジャンキーが組の詰め所に乗り込んできやがった。でけぇ日本刀振り回して『騙しやがったな、あんな安物売りつけやがって』とか喚いてたって話だ。イカれたシャブ中が難癖付けにきやがったんだと思って相手にしなかったんだけどな、どうも本当に安物だったみたいでよぉ、売りさばいてる下のもんがすり替えたって親父、激怒してな。そんな大それた事、小手川みてぇなやつらに出来る訳ねぇのによぉ。」