そして、君を傷付ける。【短編】
『は?』
「もう、しんどいの」
泣き笑いを浮かべながら
「なんで…」
耳を撫でるような柔らかくて儚げな声で
「あたしだけじゃ駄目なの?」
呟く。
『好きだよ』
手を伸ばして触れようとすると、払われた。
「その手で触れたの? ねぇ、…抱いたの? 好きって言ったのっ?!?!」
こんなにも苦しそうに、
俺のことで涙を流す姿が愛おしい。
『…可愛い。ねぇ、俺のこと好き?』
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