先生…大好きっ。-歯医者さんとの恋事情?-【完】




「あっ!」



そこには駅の入口で待っている慎先生がいた。

マフラーを巻いてコートを着ていた。

多分結構待ってたのかな。

迷惑かけちゃった…。




「慎先生っ!」



「里那ちゃん?」




「ごめんなさいっ…結構待ちましたよね?」



「そんなことないよ? 行こ?」



慎先生は私に手を差し出す。


私は笑ってその手を握った。



暖かい。



けど…




「はっ…くっしゅん!」



寒い…



「寒いの?」



「いえ…大丈夫です…」




「ならいいけど…そういえばご飯買った?」



「まだ買ってないですけど…買ってくるべきでした?」


「ううん。よければだけど歯医者になんかあると思うから食べよ?」



「あ…いいんですか?」



「多分大丈夫。」



「多分ですか…」



私は笑う。

慎先生も笑った。






私と慎先生は歯医者に向かった。













< 289 / 554 >

この作品をシェア

pagetop