愛してるを何度でも

幼なじみ



「ねぇ…あれってさ…」

あたしたちは今、体育館裏の非常階段にいる。
ここはあたしと結衣だけの秘密の場所。

いつもこうやってお菓子を持ち込んでたわいのない話ばかり。

あたしたちのお気に入りの場所。

いつもみたいに2人ではしゃいでいたら
いきなり夢が問いかけてきた。


「どうしたの~?結衣!」

「藤崎君じゃない?」

ドキッ

藤崎将平とう名前にいつも敏感になってしまう


将平は一人であたし達がいる非常階段の下で誰かを待っているみたいだった。

「…なんでこんなところにいるんだろう?ね~莉那?」

「え?…う、うん」

「なんか女の子来たよ?」

「え!?」

女の子!?うそ!?

「もしかして…これって告白する寸前の現場?」

…告白?

将平がされるの?

「あ…あたし帰ろうかな…」



「は?莉那、何言ってんの!今出たらみつかっちゃうよ??」

「…そうだった…」


嫌だよ…。将平が告白されてるところなんて見たくない…
だって、もしかしたら、告白した女の子と付き合っちゃうかもしれないから…

そんなの耐えられないよ…。


「でもさ~~藤崎君って絶対告白されてもOKしないよね」


ほんとに何でだろう…


「だってピチピチの男子高校生だよ?ヤりたい盛りじゃん!
別に好きじゃなくても…
そこらの男子なら付き合うでしょ?あまり噂も聞かないし…」


…うん…あたしも思う…。


将平は絶対に告白されても誰とも付き合わない。
そんな時…結衣が言った。

「ねぇ…もしかして好きな人がいるんじゃない?」



あたしもずっと思ってた。

将平が告白されても付き合わないのはきっと好きな人がいるから。
将平が好きになる女の子はどんな女の子なんだろう。
将平が好きになった女の子は幸せだろうな…。


自分自信に問いかけていたらなんだか悲しくなった…

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