愛してるを何度でも
「あちゃ~」
結衣は手を口に当てかわいそうな目で将平たちを見ていた。


「なッなに??どしたの?」
「振られちゃってる…。」
「え…」

「ねぇ!あの女、隣のクラスの谷口さんじゃない?
谷口美和!美人で男子にモテモテの!」

「ほんとだ!
…谷口さん振るとか…藤崎君ってわかんない…」

結衣の言っていることは分かる…

あたしも将平が分からない

学年一の美人…
頭も良くて、性格も良くて、男女ともに好かれている。


あたしが男なら絶対付き合うのに…

こんなことを考えていたら将平達のほうから、声が聞こえてきた。




『どうしてもだめかなぁ…?』

『ごめん…。』

『なんで…?
藤崎君のこと前から好きだったの…
好きじゃなくてもいいから…お願い。』


聞こえてきたのは谷口さんの告白。
さっき振られたのに粘ってる様子だ。


谷口さん…すごいな…

あたしには無理だよ…



『ごめん…嘘でも付き合うことはできない』

『どうして…?理由を聞かせて?
もしかして…好きな人いる?』



ドキッ

谷口さんのその問いにあたしの心臓はドキドキ鳴っている。


聞くのは絶対勇気がいる…

あたしだって知りたい

でも…怖い…まだ…聞きたくないよ…


結衣は興味深そうに二人の話を聞いている。


『……』

将平は何も答えない…
やっぱり好きな人がいるんだ…


でも聞く勇気なんてない…


どうしよう…


『…誰…?』

『俺…』


やっぱり無理!!









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