愛してるを何度でも
「ちょ!?莉那!??」


後ろで結衣があたしを止めるようになにか言っていたけどあたしには何も聞こえなかった。

ただ、目の前のことでいっぱいで…

階段を降りたら将平達は目の前にいる。

そんなこと、分かっていたけど
足が動いていた。

バタバタッ

「はぁ……はぁッ…」

急いで階段を降りたせいか、息が荒い。

「栗原さん…?」

谷口さんはあたしを不思議そうにみている。


あたしは谷口さんの隣に居る将平と目が合った。

将平と目が合うのは何年ぶりだろう…

あのころと変わらないまっすぐな瞳。
あたしはずっと将平を見つめていた…

「栗原さん」

谷口さんの呼びかけにあたしは我にかえった。

「あ…ごめんなさい!!
見るつもりはなかったんだけど…
本当にごめんね!
じゃぁ!…」

「ちょっと待って!」

教室に帰ろうとしたら谷口さんが止めるように呼んだ。
あたしはおそるおそる聞いた。

「な…なに?」

「ちょうどいいから、栗原さんもいて。
聞きたいことがあるから…」

…なんとなく予想はついていた。




あたしは今何してる?

谷口さんの告白を邪魔して、将平と谷口さんとあたしだけが今体育館裏の非常階段前にいる。
…それで…?

ここにいたらまずい。


「この話…栗原さんと藤崎君と同じ中学校だった友達に聞いたんだけど…
二人って幼なじみって本当…?」

「……うん…」

やっぱり、その質問か、と思った

「家も隣って聞いたけど、仲が良いってわけじゃないよね?話してるところなんて見たことないし…。」



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