愛してるを何度でも
「莉那~?…あ!哲いたんだ?邪魔だった?」
哲君と盛り上がっているとき、結衣が戻って言った。
「結衣!お前おせ~よ!」
「ごめん~!委員会だったの!」
「まぁ、いいけどな♪」
結衣と哲君はじゃれあっている。それがおかしくて、あたしは笑っている。
結衣と哲君は昔のあたしと将平みたいだった…
将平を思い出すと、あたしはまだこんなに将平のことが好きなんだと思い知らされる。
前に進もうって決めたのに…
「じゃぁ、俺帰るな!」
「え?じゃぁ結衣も!!莉那も帰ろう~?」
「うん!哲君今日はありがとうね!たくさん話してくれてありがとう。とても楽しかった。」
「全然いいよ!もっと面白い話あるぜ?今度またはなそうな!」
「うん!またね♪」
それからあたしと結衣は哲君と別れて、二人で帰った。
外はもうまっくらで、涼しかった。
「ね~…哲…どうだった?」
学校の帰り道。いきなり結衣があたしに尋ねてきた。
「え?…なにが?」
「だからッ話してどうだった?」
「あ!いい人だと思ったよ!優しいし…」
「そっか…」
「…?」
一瞬結衣悲しそうな顔をしたのは気のせいだろうか…?
「じゃ、あたしここで…」
「あ!うん!結衣、今日ありがとうね。楽しかった…」
「全然いいって!おやすみ♪」
「おやすみ!」
あたしは結衣と途中で別れて、一人で家に帰った。
「今日は家にいるんだ…」
家について隣の家の将平の部屋の明かりを見るのは毎日の日課になっていた。
いつも夜はバイトで、家に帰る時間がおそいらしい
「こんなに近いのに…
将平は遠いね…」
こんなに好きなんてきっとどうかしてる。
あきらめられないなんて…
近すぎて、難しい
あたしはきっとどうかしてるんだ。
そう自分に言い聞かせ、あたしは家の中に入った。