愛してるを何度でも
「弁当?あ、全然いいよ?」
「そっか!哲も喜ぶよ!ありがとうね」

そういって結衣は笑った。

「…げ!」
あたしは思わず大きな声を上げてしまった。

「どしたの?」

「宿題忘れた…」
「あらら…」
「せっかく昨日やったのに~」

あたしは今日、朝からついていない。
遅刻はする、宿題は忘れる…メイクだってしてないし、髪なんてボサボサ…

「もう、元気出して!結衣がコテで巻いてあげるからさ★」

「ありがと~♪」

あたしはトイレで休み時間にうっすらメイクをしている間、結衣がコテで巻いてくれた。
「できたよ♪」

「わぁ~★ありがとう!持つべきものは親友だね!」
「調子いいんだから♪」

それから授業を受け、午前の授業は終わった。

「莉那!」
「おなかへったぁ…」
「哲たちと約束してるから食堂行こう?」
「あ!そうだったね。あたし弁当作ってきたんだけど…」
「じゃぁ莉那は弁当食べれば良いよ!」
そう言った結衣はあたしの手をひくように食堂に連れて行く。

「哲~!」
結衣は食堂に座っている哲君たちを呼んでいる。

「お~!結衣!ここ、ここ!」

哲君を見つけたとき、あたしは呆然とした。
体が硬直になってしまう。


「莉那、行くよ~?」

結衣の声が聞こえない…

哲君の隣にいるのは他の友達と



将平だ。



あたしはどうしたらいいか分からず、止まっていた。

「莉那?どうしたの?」

「…あ、うん」
行くのが怖い。
「ほら!行こ?」
そう言って結衣はあたしを将平と哲君達のところへ連れて行く。

「おまたせ!」

「おう!莉那ちゃんもよく来てくれた~♪」
「うん…今日はよろしくね…」

将平を見ることが出来ない…

あたしは絶対ここにいてはいけない。

嫌いな女と貴重な弁当の時間で一緒に食べるのは絶対嫌なはずだよ

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