愛してるを何度でも
グランドでサッカーを楽しそうにしている藤崎将平を見ているたくさんの女子は既に目がハートになっている。

「結衣~ご飯は?」
結衣もそのひとり。面食いだからか、男遊びが激しいからか、昼休みのこの時間は毎日窓からグランドを見つめている。

「うん!食べる食べる~ってか莉那も見なよ★ヤバイカッコイイって」

そういわれてあたしはグランドを見る。
「…そうだね」
あどけない返事を返すのはいつものこと。
「莉那さぁ」
結衣があたしを変な人がいるような顔で見てきた。
「なに?」
「将平クンのことカッコイイって思わない?」

「…興味ないから…」

親友にまで嘘をつく。興味ないなんて大嘘なのに…

あたしは将平のことが誰よりも好き。
大好き…。

でも、それは迷惑だから…
もう嫌われたくない。

「莉那おかしい!!」
あたしの言った興味ない発言に結衣は目をまるくしている。

「だってあの将平クンをカッコイイって思わないなんて…普通ならありえないよ!っていうかさぁ…あたし前から思ってたんだけど…」

「な、なに?」

「なんで莉那と将平君って会っても喋らないの?しかも家も隣でしょ?普通一緒に学校とか行くでしょ?会っても目も合わさないし…おかしいよね?
だって莉那たち…  



幼なじみじゃん!」



【幼なじみじゃん】
一瞬結衣の言葉が頭の中で繰り返された。

あたしたちは幼なじみ。それは中学校が一緒だった人と、結衣ぐらいしか知らないこと。

「シッ!声大きいよ!これは誰にも秘密なんだからッ」

「なんでぇ?」

「いいの…それにあたし…将平に嫌われているから…」

「…え?」

「それに…あいつをみたら思い出しちゃうから…あのときのこと…」

「…莉那?」

「ごめん…気にしないで!それよりご飯食べよ?時間なくなっちゃう」
そういってあたし達は弁当を食べた。


     
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