愛してるを何度でも
あたしたちはそれから歩いて並んで帰っている。

６０センチくらい空くあたしと将平の間。

この間はまるで、あたしたちの距離間を表してるようにも見えた。

ずっと無言のまま。
何を話せばいいのかなんて分からない。

将平を見る勇気も話す勇気も踏む出せない自分がいるのが悔しかった。

あたしは、無言に絶えられず、自分から話しかけた。

「…久しぶりだね。こうやって、二人で帰るの…」

勇気を振り絞って将平を見て言った。

「…そうだな…」


無言…。
将平の一言で会話が終わる。

あたしは負けじと話しかけた。

「そういえば、いつもグラウンドでサッカーしてるよね？
サッカー好きなんだね！」

「…うん…」

また無言…。
将平は一言であたしに返事を返す。


もしかしたらあたしうざい？


あたしはふと思った。



そう思ったら本当にそう思えてきて、悲しくなった。

二人には無言だけ。
辺りは真っ暗で、車の音が聞こえるだけ。

きっともう、あのころみたいに笑えることもないだろうな…

あたしは心の中でせつなく、思った。











< 24 / 26 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop