愛してるを何度でも
五時間目が始まるとあたしはもうノートを録る気分もせず窓からグランドを眺めていた。
「眠い…」
五時間が国語だと非常に眠くなる。あたしはあくびをしながらも授業を聞くふりをしてずっと外を眺めていた。

『ギャハハ!!まぢかよ??』

そんなとき、外からバカ笑いしてる男子の声が聞こえてきた。

『将平!!!お前水かけんな!』
一瞬体がビクッとなる。将平と言う名前にいつも反応してしまう。

…将平!?
今あの人将平って言ったよね?
そこには水遊びしている藤崎将平と男子たちがいた。
それを見た先生がガミガミ怒っている。

「ぷ…ハハ…
気持ちよさそうだなぁ。しかも怒られちゃってるし…」
そんな様子を見て、クスクス笑ってている自分がいた。










将平はなにもあのころと変わってないね・・・











できれば見たくなかった・・
見たら絶対あのときのことを思い出しちゃうから。
ずっと忘れたくて、忘れたくて、逃げていたのに、
あなたを見ただけですぐ思い出しちゃうの。

忘れたいのに忘れられない。

忘れたいのに忘れたくない…

そんな矛盾を抱えたままずっと今まで将平だけを思ってきた。
誰にも言えないこの気持ちも、この恋も、ただ、苦しいだけなのに。
迷惑なだけなのに…


あのとき、まさかこうなるなんて


あたしも、将平も…誰も思わなかったのにね。


< 3 / 26 >

この作品をシェア

pagetop