愛してるを何度でも
あたしと将平は物心がついたときから一緒にいた。
あたしが3歳のときに今の家に引っ越してきて、隣に住んでいたのが将平だった。

親同士も仲がよくなって、一緒に出かけたり、遊んだりしていた。

将平とは幼稚園の時からずっと一緒だった。遊ぶのも一緒だったし、朝一緒にいくのも
…何もかも一緒だった。
喧嘩だって数え切れないくらい、たくさんした。
一緒に居る時間が増えて、成長していくうちにあたしはいつのまにか将平のことが好きになっていた。
家が隣だったから逢いたいときには逢えたし、あたしには将平しか見えてなかった。
あの屈託のない笑顔も、負けず嫌いで、努力家なところも、あたしが泣いたとき、何も言わずにそばにいてくれた優しさも…全部全部大好き…。


あたしと将平はずっと永遠に繋がっていくんだ…
あたしに見せる笑顔はあたしだけのものだ…って…

ずっと一緒だ…って

思ってた。

もしかしたら自惚れていたのかもしれない…

きっと焦っていたんだと思う。


3年前の、あたしたちは中学生になって三ヶ月経とうとしている頃だった。

つい最近まで、男子と外で遊んでいたはずの女子が急に遊ばなくなった。
おしゃれにも気を使って、好きな男の子ができたり、彼氏が出来た子もたくさん増え始めた。

その中で将平はダントツでモテていた。

クラスの人気者で、リーダー的な性格で女子にはとてもモテモテだった。

急に伸びた背、声変わりした低い声、体格もよくなって、女子の中では将平のことでもちきりだった。

そんなことがあっても、あたし達は登下校したり、お互いの家にも遊びにいっていた。
周りには付き合っているの?と聞かれるくらい本当に仲が良かったんだと思う。

告白をしたいなんて思ったことはなかった。気がつけば隣にいたし、いつでも逢えたから。
毎日遊んでいたし、登下校だって一緒だったから。
付き合ってるのとあまり変わらない。だから、変に気を使うより、今のままの関係でずっと将平と居ればいい。
将平のそばに居られるだけで、それでいい。

ずっとそう思ってた。


でも、何もかも壊したのは、あたしだった。


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