DESTINY〜君と出会えたキセキ〜
――確かに、学生時代に付き合っていた貴大のことを忘れたことはなかった。
でも、それは未だに彼のことが好きだからとか、そんなことではないと思う。
ただ、私なりのちっぽけなプライドから。
付き合い当初から結婚願望の強かった貴大。
実家にも何度も招待され、彼の両親や弟と温泉旅行に行ったこともある。
本当の娘のように可愛がってくれたご両親。
いずれは、この人たちと家族になるのかな……などと、当時は漠然と考えていた。