DESTINY〜君と出会えたキセキ〜
目の前に置かれた水の入ったグラスに手を伸ばし、ぐいっと飲み干した。 



グラスに残された氷を口に含みながら、椅子を引いて立ち上がった。



会計を済ませ、再び、暖簾をくぐり外へ出ると、辺りはすっかり“夜の街”と化していた。



ネクタイを緩め、スーツを肩に下げた、会社帰りのサラリーマン。


コンパ帰りと見られる、賑やかな学生たち。


街を彩る、赤や黄や青の明るいネオンたち。



そんな“夜の街”を、美加と二人、眩しい光を放つ車に照らされながら駅を目指して歩いた。





「着いちゃったね。それじゃ、またね〜!」



JR水道橋駅の前で、地下鉄で帰る美加と別れた。





< 172 / 462 >

この作品をシェア

pagetop