DESTINY〜君と出会えたキセキ〜
「その子、熱心な子でさぁ。学校の課外もあるのに、模試の前になると必ず、通常授業とは別に、特別授業を希望するんだ」


「へぇ、そうなんだ」


「頑張ってる姿を見ていたら、僕もその子の力になりたいって思うんだよね」


「そっか。頑張り屋さんなんだね、その子」


「あぁ」


短く頷いた彼の顔を見たとき――顔も何も知らない女子高生に嫉妬した。


その女子高生が裕司くんに気があるんじゃないかとか、要らぬ詮索をしてしまう。

なんとか理由をつけて、裕司くんに会う口実を作っているのかも……。


いくら家庭教師とはいえ、二時間もの間、裕司くんを独占できるなんて…… 


私が代わってもらいたいくらいだ。



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