DESTINY〜君と出会えたキセキ〜
「じゃあ、帰りもよろしくお願いします」


シートベルトを締めた私は、運転席に座る大越くんに声を掛けた。


「了解!」


親指を突き出し、こちらに笑顔を向けた。


順調に走りだした車。


車内に流れるBGMにリズムを取りながら、流れる景色を目で追った。



――――…? 


……あれ?どうしたんだろう?


車に乗り込んでから大越くんの様子がおかしい。 


さっきまで、あんなに元気にはしゃいでいたのに、急に黙りこくってしまったから。


あまりにも静かな車内は、なんだか居心地が悪くて仕方なかった。 


それを払拭するかのように、私は努めて明るく話し掛けた。 




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