DESTINY〜君と出会えたキセキ〜
洋服を脱いだ私は、思いっきり蛇口を開き、頭から熱いシャワーを浴びた。 


大越くんの匂いを消すかのように……。


シャンプーを泡立て、髪の毛を洗い終えると、顔、首、腕……と、頭から足の爪先まで丁寧に洗い流した。

湯船に浸かり、軽く目を閉じると、さっきのあの忌まわしい出来事が思い出され、身震いした。


それを掻き消すように、湯船に頭を沈めた。 


――…ぶはっ!


頭をぶるぶるっと振り、顔に付いた水滴を手のひらで振り払うと、


私の頭には、あの人が浮かんできた。


――…裕司くん。 


自然と、裕司くんと大越くんとを比べていた。 




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