DESTINY〜君と出会えたキセキ〜
車両と車両の間にある連結部分では、トイレの順番待ちをしている人の姿が目についた。


溢れかえるゴミの山にうんざりしながら、車窓が見える出入口付近に立った。



握り締めていた携帯電話ですぐさま電話をかけると、スリーコールもしないうちに、麻紀は電話口に現れた。


「はい、もしもし?」


「あ、麻紀?あたしだけど……」


簡単に乗り遅れたことを説明し、「車掌さんに到着時間を確認したら、また連絡するね!」と、手短に電話を切った。   


再び、先ほどの座席へ戻り腰を下ろすと、深く息を吐いた。


バスを降りてからずっと走りっぱなしだったから喉がカラカラだった。


渇いた喉を潤そうと、ペットボトルに手を伸ばし、水分を補給した。




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