DESTINY〜君と出会えたキセキ〜
「いつもどの辺で遊んでる?」


「だいたい大学のある本郷か、サークル帰りに渋谷や新宿に行くことが多いかな」


「ふーん、そうなんだ。……えっ?本郷にある大学って、もしかして……東大のこと?」


「うん。そうだけど」


事もなげに、あっさりと頷く彼。


なんと、彼は東京大学の工学部に籍を置いていた。



東京大学といったら、言わずと知れた、日本の大学の最高峰。


安田講堂や赤門、三四郎池など、誰もが知っている超有名な大学だ。


学生数2万人の大学なのだから、一人くらい知り合いがいてもよさそうなものだけど、私の周りには一人もいなかった。   


このときの驚きようといったら……。


それを悟られないよう平然を装った。


「そうなんだ」




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