DESTINY〜君と出会えたキセキ〜
――と、そのときだった。
「今日は、何時に家を出るの?」
カウンターキッチンの奥の方から母の呼ぶ声がした。
「あれ?お母さんいたんだ!誰もいないのかと思った」
「洗濯物を干してたのよ。今日は天気がいいからシーツも洗いたくて。これで二回目」
「ふーん。お父さんは?」
「ゴルフよ!木更津まで行くらしいから朝早く出掛けたわ。それより、今日は何時の新幹線?」
「えーとね、10時過ぎの新幹線だから9時に出れば余裕!」
「そう。じゃあ、お母さん送って行かなくていいかしら?」
「うん、いいよ。東京駅までバスで行くから」