ピンキー
僕は次の日、学校へは行かず駄菓子屋で時間を潰した。


しかし駄菓子屋のおばさんに密告され学校に行った。


お昼くらいに学校に行くと、まずは先生からしこたまお説教をくらった。


教室に行くともうピンキーの送別会は終わっていて、ピンキーは居なかった。


なんだか何もなかったように思えてきた矢先に、机の中に手紙が入っていた。


あっ!ピンキーからの手紙だ!


僕は屋上まで走っていき、隅っこで手紙を広げた。


(手紙)輝くんへ…僕は耳の手術を受ける為に大きな病院へ入院します。手術は凄く怖いし嫌です。僕はある日の朝、耳の手術を受けるってお母さんから聞かされて、その日はテストでした。僕は怖くて怖くて急にテスト中に手が震えて止まらなくなりました。そんな時に隣の席から『おいっ!見えない!左手どけてどけて!答え見せて!』って小さい声で聞こえて来ました。輝くんがカンニングして来たんです。しかも先生にバレて廊下に立たされていましたよね。僕は可笑しくて可笑しくてたまらず一人で笑いました、すると知らない間に震えも止まっていました。
カンニングをする時の必死の輝くんの顔は、思い出すと今でも可笑しくてたまりません。僕はその時に決心しました、僕も耳がちゃんと聞こえるようになってみんなと同じように話せるようになったら、カンニングをしてみようって。
だから手術を受ける気持ちになりました。僕は作文コンクールの時の事、絶対に忘れないよ。僕の耳が治ったらまた遊んでね。ひろし…


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