“おさななじみ”に恋をする。下【上下完結】
ズーン…と重苦しい気分で、着付けをママにしてもらって、


「行ってきます」


家を後にする。



―――こんなこと、一体いつまで、続くんだろう…。


無意識にため息ばかりを繰り返し、ゲタばかりを見つめながら、駅までの道のりをとぼとぼ歩く。


いまさら無責任だと言われても、全てを投げ出してしまいたい。


あたしを知っている人が誰もいないところで、今すぐ1人で暮らしたい。


そんなの、絶対無理に、決まってるけど。



―――たった、一つ。
―――たった、一瞬。
間違えちゃっただけで。


―――もう、取り返しがつかない…なんて。

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