“おさななじみ”に恋をする。下【上下完結】

「聞いたよ～遥ちゃんから。
凌、あの佐藤さんと付き合ってるんだって?」


「…は?
何だよ、ソレ」


「またまたぁ!!
隠しても無駄だよ?凌くんっ!!
ほら、この前のお祭りの日。
二人で仲良くデートしたんだって?」


征が「このこの～」なんて。
いまどきマンガの中の男しか…つーか、マンガの中の男でも言わないようなセリフと共に、オレの腰のあたりをくいくいっとひじで押す。


そして、


「いいよな～。
あんな美人!!
佐藤さんっつったらさー。
理系の男、全員が狙ってるんじゃねぇ?」


羨ましいと言わんばかりにそう言いながら、頭の後ろで手を組み、


「いいよな～凌は。
あ～んな美人と“イケないこと”しちゃってさ～」


うっとりとした顔で目を閉じた。