“おさななじみ”に恋をする。下【上下完結】
「あのさぁ。
悪いけど。
集合時間だから、オレ、行くわ」


腕時計を見下ろし、かばんを肩にかつぎ…


「それにさ?
興味ないんだよね」


精一杯の嘘をつく。


「おまえと遥のこと」


――自分を守る嘘ではなく。


「だから、もう、呼び出すな」


――征と遥を守る嘘。


「オレもさ。
おまえのこと、嫌い、なんだよね」


2人が苦しむことのないように


「だからさ?
征とは…いや…おまえとは。
もう“友達”でもなんでもねぇよ」


――オレは嘘に嘘を重ねた。

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