“おさななじみ”に恋をする。下【上下完結】
「…え?」


一瞬、聞き間違えかと思った。


だって…
交換留学の学生にあてられた建物で、偶然同室になったこいつが、


遥のことを知っているとは…
遥の名前を口にするとは…


夢にも思わないだろ?


それなのに――


「だから。
“はるか”って誰?」


部屋の中、2段ベットの下に足を組んで腰掛けて、両手を後ろについた格好でオレを見上げるやけに澄んだ涼しい瞳の持ち主は、


「朝食までまだ時間がある」


立ちすくむオレを見上げ、ふっと…5月の風が吹き抜けるような爽やかさで笑った。


「教えろよ。
同じ名前のよしみでさ?」
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