“おさななじみ”に恋をする。下【上下完結】
仕方がない。


きっとあたしには、こういう考え方しかできない。


こういう方法しか思いつかない。


それがたとえどんなやり方であったとしても。


それで長谷川くんの心が救えるならば。


それで凌の心配を軽くしてあげられるのならば。


あたしは―――



「ねぇ…長谷川くん」


ほら、また。
あたしが何を言い出すか、おどおどした瞳で見下ろして。


カチューシャを掴む手の震えを隠しきれてない。


そんな長谷川くんをほっとけない。
―――ほっとけるわけがない。

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