“おさななじみ”に恋をする。下【上下完結】
あたしが言葉を発して数秒後。


「…っ…。
遥ちゃん…何言ってるの?」


カシャッ…と小さな音をたてて、カチューシャは長谷川くんの手を離れ、綺麗に並べてあったほかのカチューシャの上に落ち、


「遥ちゃん…。
自分で…何言ってるのか…わかってる?」


長谷川くんは空になった震える右手を口元にあてた。






「…俺…本気にするよ?」


ひどくかすれた声で、長谷川くんがそうつぶやいて、あたしを見下ろしたのは、きっと数分後。

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