“おさななじみ”に恋をする。下【上下完結】
「大丈夫?」


あたしの左耳の近く、


「気分でも悪いの?」


あたしを気遣う長谷川くんのひそめた声が聞こえた。


“違うよ”
そう伝えたくて。


首を横に振ると、ももの上に置いた左手に重ねられる長谷川くんの手。


「大丈夫?
冷房寒い?」


そう言ってあたしの手の甲を撫でる長谷川くんの手の大きさ、厚み、あたたかさに、違和感を感じた。

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