“おさななじみ”に恋をする。下【上下完結】
「面白かったね」
映画が終わってざわつく映画館。
真ん中の席だから、すぐに立ち上がらなくても人の迷惑にならない…そう考えて、なかなか立ち上がらないあたしに
「はい、どーぞ」
長谷川くんがスッと手を差し出してくれた。
「あ…ありがと…」
長谷川くんの好意を無駄にしちゃいけない…
そう思い、差し出された右手につかまるような格好で立ち上がったとき、
ふら…っと、頭ががふらついた。
あ…立ちくらみ…