“おさななじみ”に恋をする。下【上下完結】
「はっきり物を言うかと思えば、自分のことになると呆れるくらい言えなくなって。
相手を思って、なんでもすぐに諦めて。
なるべく相手の意に添う形を心がける。
おまえには“自分”ってものが、ねぇのかよ?
物分りがよすぎて、おまえ見てると、反吐がでる。」



綾瀬涼は、掴んだオレのTシャツを軋ませ、


「わかってんのかよ?
気づいてんのかよ?
おまえのその言動は。
相手を大事にしてるんじゃない。
凌!
おまえ自身を大切にしていないだけだってことに!!」



首元に青筋を立てるくらい、いきり立って。



「だから…おまえは。
自分のことになると、簡単に諦めるんだ」



軽蔑したような表情を浮かべ、オレをベッドに突き飛ばした。
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