“おさななじみ”に恋をする。下【上下完結】
口をつけていないグラスから手を離し、


「今日だけじゃなく…」


あたしの頬のそばまでゆっくりと片手をのばして…


「“あの日”からずっと」


その手をスッと引っ込める。


「だから、ちゃんと“彼女”にしたい」


引っ込めた手をもう片方の手で強く握り締め、


「遥ちゃんの笑顔を見たいから。
俺は出来る限りのことをしたい」


長谷川くんはまた…作り物の笑顔を浮べた。

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