“おさななじみ”に恋をする。下【上下完結】
「やだっ!
やだっっ!!
長谷川くん、放してよっ!!」
あたしがどれだけ身をよじっても。
「ダメ、もう遅い。
止められない」
長谷川くんの、あたしの両手首を固定する左手の力が弱まることはなく。
それどころか…
「やだっ!
怖いよ…
凌…
凌…
凌っ…助けてっ!!」
そう泣き叫ぶあたしの口を右手でふさぎ、
「バカだな、遥ちゃん。
凌は“アメリカ”だろ?」
冷笑を浮かべ、あたしを見下ろすばかりで…。