“おさななじみ”に恋をする。下【上下完結】
でも…
わざわざ…


アメリカにいる時を狙って電話をしてきた征の行動に――


抑揚もなく感情もなかった征の声に――


気がつくとオレは、綾瀬涼に握らされたらしい現金と、綾瀬涼がすぐさま手配したらしい航空券の切れ端を持って、日本行きの飛行機の機内にいた。



征の本気の前には

理性よりも
状況よりも
頭で考えるよりも
なによりも


ただ…“遥を失いたくない”


そんな偽らざる本音ってやつにのみ、オレは突き動かされていた。

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