“おさななじみ”に恋をする。下【上下完結】
「バァカ!
泣いてなんかねぇよ」


そう言ったオレの頬を、ツーっと冷たいものが落ちていく。


そんなこと、電話の向こうの綾瀬涼にはわかるはずもないのに――


「あれ?
凌、本気でオレに惚れた?
泣き顔も可愛いよ?」


オレをからかうような甘い声が響き、次の瞬間、


「だったら…
泣かしちゃダメだよ?
はるかちゃんを」


綾瀬涼は声のトーンをかなり下げた。

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