“おさななじみ”に恋をする。下【上下完結】
しかも…


「凌はあたしのこと愛してないんだ…」


遥は不満気にぽつりとそう言って、唇をかみしめ


「凌はあたしのこと好きじゃないんだ…」


華奢な肩を震わせ、


「いや…
あの…」


言い訳をしようとするオレの前、そんな隙も与えず、両手で顔を覆う。


「あー…
いや…
あの…
は…遥?
ち…ちょっと…」


遥に道の真ん中で泣き出され、


「あ―…
遥ちゃん?
あの…ね?」


――なんて。


遥に思わず“ちゃん”をつけてしまうほどうろたえる。
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