“おさななじみ”に恋をする。下【上下完結】
「………」


若い男はワゴンに手をかけたまま、無言で…。
一向に部屋に入ろうとしない。


…ん?
どうしたんだろう?


そう思い、固まる視線の先をたどると――…


「あ…いや…これは…」


涼のアホ―!!


これじゃあ、オレ。
性欲丸出しのただのエロ男だろ―!!


つーか、オレのバカ―!!
そんなもの、さっさとしまっとけ―!!


同じ男としての配慮なのか、それともホテルマンとしての教育の賜物か。


若い男ながらも、慌ててそらされた視線に赤くなりながら、涼からの心のこもりすぎたプレゼントをズボンのポケットにねじり込む。

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