“おさななじみ”に恋をする。下【上下完結】
や―…。


また、ちょっぴり意地悪な凌だよ。


そんな凌の笑顔にも、心をぎゅっと鷲づかみされて。


ちょっぴり唇を噛んだあたしに、


「じゃあ…次は。
鼻でオレを感じろよ」


凌は、あたしの顔の横にあった手をあたしの首の後ろにまわし、ほんの少しだけ体重をかけて、あたしを抱きしめる。


ふわ…っと。


鼻をくすぐる凌の香りに、


「凌…いい匂い」


スーっと、その香りを吸い込んで、


「…凌の匂いだ」


嬉しくて、凌の首にきゅっと腕をまわす。

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