“おさななじみ”に恋をする。下【上下完結】

side 遥






ふわり…と。


ベッドの上、もぐりこんでいた布団がめくられる。


「…っ…」


――凌の気配にドキドキする。


「…っ…」


――凌の息遣いにドキドキする。


どうしよ…。
なんか緊張する…。


ドキドキする胸をぎゅっと押さえて、暗い部屋の中、うつ伏せに、まん丸になったまま、顔を斜め上にちょっとだけ上げると――…


――月明かりのほのかな明かりを背に受けて立つ凌が、ぼんやり見えた。

< 381 / 641 >

この作品をシェア

pagetop