“おさななじみ”に恋をする。下【上下完結】
side 遥
ふわり…と。
ベッドの上、もぐりこんでいた布団がめくられる。
「…っ…」
――凌の気配にドキドキする。
「…っ…」
――凌の息遣いにドキドキする。
どうしよ…。
なんか緊張する…。
ドキドキする胸をぎゅっと押さえて、暗い部屋の中、うつ伏せに、まん丸になったまま、顔を斜め上にちょっとだけ上げると――…
――月明かりのほのかな明かりを背に受けて立つ凌が、ぼんやり見えた。