“おさななじみ”に恋をする。下【上下完結】
「遥を1番に見つけたのは、オレが遥のそばにいたいから。
1分だって1秒だって早く、そして長く遥のそばにいたいから」


そう言った凌の瞳に映るのは――…


「オレが帰りたいと願う場所は、ここにしかないから」


――あたし。


「あったかい気持ちをくれるのは、むしろ遥の方だよ。
ありがとう」


そう言って凌は、もう一度“ちゅっ”と音をたててあたしにキスをして、


「オレ、遥がいたから今まで生きてこられた。
遥の存在が、オレを生かしてくれるんだ」


胸の中深くあたしを抱き締めた。


「遥…。
産まれてきてくれてありがとう」

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