“おさななじみ”に恋をする。下【上下完結】
そして――…


「遥と出逢えた奇跡に感謝する」


そう言って凌は、あたしを抱き抱えるようにして起き上がった。


「遥の両親やオレの両親はもちろん。
じーちゃんやばーちゃん。
会ったことのないご先祖様にも。
だって、そのうち誰か1人欠けても、この世にオレ達は存在しなかった」


胸の中にあたしを抱きしめ、愛しそうに髪を撫でながら、


「そして―…」


そこでいったん口を閉じ、


「…オレ達が今まで出逢ったすべての人や、すべての物事にも感謝する」


そう言って凌はあたしの髪に顔を埋めた。

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