“おさななじみ”に恋をする。下【上下完結】
「はぁ?
何勘違いしてんの?」


――予想もしないひと言で。


「…は?
勘違いって?」


そのひと言に、折れていた腰が伸びる。


「だから!
あたしが、足を引っ張らないでほしいって言ってんのは。
北村君にじゃなくて、“あの子”に対して」


「…は?」


ますますわけがわからない。


女の怒りってのは、女に向かうのか?
だとしたら、それはちょっと理不尽すぎだろ。


今回帰ったのは、遥のせいではなく。
確実にオレのわがままだろ。


そう、口の端をひくつかせたオレの考えが伝わったのか、佐藤さんはとんでもないことを口にした。


「好きな男の将来を奪うな!ってね」


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