“おさななじみ”に恋をする。下【上下完結】
なんだって?
眉をひそめたオレに佐藤さんは、こう続けた。
「あの子の前に出ると、北村くんは自分自身を無くす。
頭の先から足の先まで、あの子一色になっちゃうのよ」
それがどうした?
好きな子のこと、一番に考えて何が悪いんだよ。
でも、そう反論しなかったのは――…
佐藤さんの言葉の正しさを知っていたから。
同じようなことを、涼にも言われた。
『はっきり物を言うかと思えば、自分のことになると呆れるくらい言えなくなって。
相手を思って、なんでもすぐに諦めて。
なるべく相手の意に添う形を心がける。
おまえには“自分”ってものが、ねぇのかよ?
物分りがよすぎて、おまえ見てると、反吐がでる』
『わかってんのかよ?
気づいてんのかよ?
おまえのその言動は。
相手を大事にしてるんじゃない。
凌!
おまえ自身を大切にしていないだけだってことに!!』
眉をひそめたオレに佐藤さんは、こう続けた。
「あの子の前に出ると、北村くんは自分自身を無くす。
頭の先から足の先まで、あの子一色になっちゃうのよ」
それがどうした?
好きな子のこと、一番に考えて何が悪いんだよ。
でも、そう反論しなかったのは――…
佐藤さんの言葉の正しさを知っていたから。
同じようなことを、涼にも言われた。
『はっきり物を言うかと思えば、自分のことになると呆れるくらい言えなくなって。
相手を思って、なんでもすぐに諦めて。
なるべく相手の意に添う形を心がける。
おまえには“自分”ってものが、ねぇのかよ?
物分りがよすぎて、おまえ見てると、反吐がでる』
『わかってんのかよ?
気づいてんのかよ?
おまえのその言動は。
相手を大事にしてるんじゃない。
凌!
おまえ自身を大切にしていないだけだってことに!!』