“おさななじみ”に恋をする。下【上下完結】
そして、足早に歩きだした――…


はずなんだけど、


「…っ!!」


セーターの背中あたりをシャツごとガシっと掴まれ、首がカクンとなるぐらいの勢いで、後ろに引っ張られた。


なんだ?
遥…じゃ、ないよな?


つないだ手を見下ろし、“まさか、な?”嫌な予感と共に、そーっと後ろを振り返ると――…


「あーら、凌。
あたしには朝の挨拶ないわけ?」


――予感的中。


朝からばっちり決めた派手なメイクの美貴さんが、にたーっと、意味深な笑みを浮かべて立っていた。


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