“おさななじみ”に恋をする。下【上下完結】
オレが何も言わないのを見ると、美貴さんは大げさに両手を広げて、やれやれといったように首を振り、オレのズボンに目を走らせた。


「凌もちゃんと“男の子”だったわけだ」


…それ、どういう意味だよ!
つーか、見んな!!


ギリっと歯軋りしたオレをくすくす笑いながら、


「あたしはね?
よかったと思ってるのよ?」


美貴さんはあごにひとさし指をあてて、


「遥がずっと凌のことを好きだったの知ってるし。
凌なら遥を幸せにしてくれそうだし」


下からのぞきこむようにオレを見上げる。


「でも、真が知ったら――…
凌、殺されちゃうかもね~」


…って!!
それ、冗談に聞こえないから!!


真さんが遥を溺愛してるの知ってるし。


一瞬身体を震わせ、びくっとのけぞったオレを笑い、美貴さんは手を伸ばしてオレの頭をガシガシ撫でた。


「ちゃんと覚悟しときなさいよ~?」

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