“おさななじみ”に恋をする。下【上下完結】
親と担任、そして佐藤さんにしか言っていない、オレが目標とする進路について、どうして美貴さんが知っているのかわからないけど…。


オレには、遥を手放す選択肢なんかねぇよ。


そこまで考えて、オレはまたそっと息を漏らした。


子供の頃からずっと変わらず抱き続けていた夢を、手放すことは容易じゃない。


綿密に計画を立てて、努力もしてきた。


今までは“夢”と“遥”、どちらかを選ぶなんてことは、微塵も考えたりしなかった。


どちらも必要で、どちらかが欠けるなんて、想像もできなかったから。


そして、どちらかを選ばなくてはいけないなんて、思いもしなかったから。

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