“おさななじみ”に恋をする。下【上下完結】
そう言われても、全然知らない女の子だから、あたしは困った顔で会釈するしかなくて。



凌に助けを求めようと視線を向けても、凌の瞳は感情なく真正面を向いているばかりで。



そんなあたし達の様子を見て首をかしげたメガネの女の子は、凌が気づいてないと思ったらしく、凌の腕をトントンと叩いた。



「北村くん。
“おさななじみ”来てるわよ」



それでも凌は、その言葉にも反応することはなく。



でも、あたしの前を通り過ぎるとき、メガネの女の子に向かって、こう言った。
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