“おさななじみ”に恋をする。下【上下完結】
「ひどいんだよ、凌ったら。
もう文化祭の準備始めてるって教えてあげたのに、さっさと帰ろうとしてんだから」


…ってさ?


宏…


おまえ、オレの気持ちわかってて、絡んできてる?


そんなことしたら――…


オレがクラスの輪の中に入っていったら――…


ほら…


スッと目を伏せて、クラスの輪の中を抜け出した征が教室から出て行く。


“ちょっと待てよ、征。
出て行くのはオレでいい”


そう言いたくても、オレには追いかけられない征の背中。

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