“おさななじみ”に恋をする。下【上下完結】
「…ったく、あいつ等」
“死に物狂いで”
そんな言葉がぴったり似合うような勢いで、執事服を脱いで制服を取り戻し、胸に抱えたまま、教室から逃げ出した。
追っ手がくるのは時間の問題か?
チラリを後ろを振り返り、首を横に2・3度振る。
まぁ、いいや。
それまでには帰ってやろう。
ムッとした顔のまま、シャツを羽織り、ネクタイを首にかけたままボタンをとめる。
脇に挟んだままのセーターをバサっとかぶり、
「…ったく。
ほんと、容赦ねぇなぁ。
つーか、あれ。
男が男にすることか?」
ぶつぶつ文句を言いながら、文系校舎まで足早に歩く。