“おさななじみ”に恋をする。下【上下完結】
「…もしもし?
凌?」


そんな、電話からかすかに聞こえる遥の声を無視して、ケータイを閉じ、オレはもたれかかっていた駅の壁から身を起こした。


そんなオレに気がついたのは、必死にケータイをいじる遥じゃなくて、遥の隣を歩く男。


そいつはオレのことを知ってるのか、遥の腕をとんとんと叩き、指をオレに向けた。


「…んだ?
てめぇ…」


ついつい、汚い言葉が口を伝う。


「遥に触んじゃねぇよ」


そんなオレの言葉は、当然2人には聞こえるはずもないけど――…


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