“おさななじみ”に恋をする。下【上下完結】
「!!!!!
凌っ!
渡瀬くんはね?」
“暗くなった帰り道を心配して、あたしを送ってきてくれたんだよ”
そんなあたしの言葉は、凌の耳に届くことはなかったと思う。
だって――…
「…っ!!
…りょっ…」
合わされた凌の唇でさえぎられてしまったから。
しかも。
それは――…
「おまえさ。
いつまで見てんだよ。
とっとと消えろ」
渡瀬くんへの敵意を表したキス。
「それとも何か?
おまえ、もっと見たいのか?」
そう言う凌の顔は、瞳は――…
完全に渡瀬くんを敵視していた。